「ISOを取ることになったが、結局いくらかかるの?」
取引先から求められたり、入札の加点になると聞いたりして調べ始めたとき、最初にぶつかるのがこの疑問です。
上司から「で、いくらかかるの」と聞かれても、調べたサイトによって金額がバラバラで、社内で説明できる数字が見つからない。ISOの費用を調べ始めた担当者の多くが、ここで手が止まります。
結論からお伝えすると、ISOの取得費用を左右するのは、規格・会社の人数・取得のしかた・どこまでを対象にするかの4つです。
同じISO9001でも、20名の会社と50名の会社では審査にかかる日数が違うため、金額も変わってきます。
この記事でもっとも伝えたいことがあります。
審査に必要な日数は国際基準で公開されている一方、認証機関の1日あたりの料金は公開されていません。 だから、どのサイトを見ても金額が「幅」でしか書かれていないのです。
本記事では、公開されている根拠と、そうでない部分を分けて示します。
いそまる金額の目安だけでなく、自社の人数で再計算できる形まで整理しました。
- ISO9001・ISO14001・ISO27001の取得費用の目安(規模別の早見表)
- 審査費用が会社規模で変わる理由(国際基準の審査日数表)
- 取得後に毎年かかる維持費用と、3年総額の考え方
- ISO取得費用の勘定科目と、国税庁が認めている税務上の扱い
費用や税務の説明は、公的資料・公式情報を確認して整理しています。
\自社の規格・人数での費用を無料で確認する/


ISOの教科書 編集部
- ISOの教科書 編集部の案内役
- 東証プライム上場企業に勤務後、独立
- 中小企業の担当者向けに、取得・費用・運用をやさしく解説
ISO取得費用はいくら?規格別・規模別の相場早見表
ISO取得費用がいくらかを解説します。
- 審査費用(認証機関に支払う)
- コンサル費用(使う場合のみ)
- 社内工数(見えにくい費用)
まず、自社が取りたい規格の行を見てください。
\規格別・規模別の早見表/
| 規格 | 〜30名の審査費用 | 30〜100名の審査費用 | 初回審査の日数(国際基準) | 詳細 |
| ISO9001(品質) | 30〜60万円 | 40〜140万円 | 16〜25名=3日/26〜45名=4日/46〜65名=5日 | くわしく |
| ISO14001(環境) | 30〜110万円 | 40〜160万円 | 16〜25名=3〜5.5日/26〜45名=3〜7日(複雑度で変動) | くわしく |
| ISO27001(情報セキュリティ) | 高くなりやすい | 高くなりやすい | この国際基準の対象外(別の基準で決まる) | ISO27001の取得費用 |
金額は取得時(初回)の目安です。審査日数の列は国際基準に定められた公的な数字なので、自社の人数に当てはめて確認できます。
金額のほうが幅を持っているのには理由があります。審査に必要な日数は国際基準で公開されている一方、1日あたりの料金は認証機関が公開していないためです。
認証機関とは
ISOの審査をして「この会社は規格どおりに運用できている」と認証を出す、第三者の機関です。JQA(日本品質保証機構)などがこれにあたります。会社は自分で認証機関を選んで契約し、審査を受けます。
国内最大手のJQAも、審査費用は料金表ではなく1件ごとの見積もり対応としています。
同じ規格・同じ人数でも、自力で取得するかコンサルティングを使うかで総額は2〜3倍変わります。 ISO9001の小規模企業なら、自力で30〜90万円、コンサルを使うと80〜180万円が目安です。
どちらが自社に合うかは、自力取得とコンサル利用、費用はどう違う?で判断できます。専任担当者を置けるかどうかが分かれ目です。
ISO9001の取得費用
ISO9001は、中小企業がもっとも取得しやすく、費用の目安も読みやすい規格です。
品質を管理する仕組みについての規格で、製造業・建設業を中心に幅広い業種で取得されています。取引先からの要求や入札の加点を理由に取得するケースが多く、この記事の基準として扱います。
| 取り方 | 取得時の総額目安 |
| 自力で取得する | 30〜90万円(審査費用が中心) |
| コンサルを使う・小規模(〜30名) | 80〜180万円 |
| コンサルを使う・中堅(30〜100名) | 130〜280万円 |
ISO14001の取得費用
ISO14001はISO9001より高くなりやすく、それは印象ではなく国際基準に理由があります。
同じ人数でも、ISO14001のほうが審査日数が多く設定されています。
| 従業員数 | ISO14001(環境への影響が大きい業種) | ISO14001(影響が小さい業種) | (参考)ISO9001 |
| 16〜25名 | 5.5日 | 3日 | 3日 |
| 26〜45名 | 7日 | 3日 | 4日 |
| 46〜65名 | 8日 | 3.5日 | 5日 |
20名の会社であれば、ISO9001が3日なのに対し、ISO14001は複雑度が高い業種で5.5日=約1.8倍です。
この区分は、その会社が環境にどれくらい影響を与えるかで4段階に分かれます。化学物質を大量に扱う工場と、事務所が中心の会社とでは、同じ人数でも審査にかかる日数が倍近く違ってきます。
そのため、ISO14001の費用は「相場」で判断せず、自社の業種を踏まえた見積もりで確認してください。
ISO27001(ISMS)の取得費用
ISO27001は3規格のなかで、もっとも費用が高くなりやすい規格です。
理由は3つあります。
- 守る対象が情報資産(顧客データ・設計図・パソコンやサーバーなど)で、洗い出す範囲が広い
- どこにどんな危険があるかを洗い出して評価する工程(リスクアセスメント)が必要になる
- どの部署・どのシステムまでを対象にするかの決め方が、そのまま費用に響く
先ほどの国際基準が扱っているのは品質・環境・労働安全衛生の3つだけで、ISO27001は対象外。情報セキュリティの審査にかかる日数は、別の基準で決められています。
費用の内訳や適用範囲の決め方は、ISO27001(ISMS)の取得費用で詳しく解説しています。



早見表は「自社がどのあたりか」を掴むためのものです。実際の金額は人数だけでなく、拠点の数と、どこまでを対象にするかで動きます。
\自社の規格・人数での費用を無料で確認する/
ISO取得費用の内訳は3つ
ISOの費用は「審査費用・コンサル費用・社内工数」の3つに分かれます。
- 審査費用(認証機関に支払う)
- コンサル費用(使う場合のみ)
- 社内工数(見えにくい費用)
この3つを分けて見ないと、見積もりを比較できません。
審査費用(認証機関に支払う)
取得する際に、必ずかかる費用です。
認証機関に支払うもので、規格・人数・拠点の数・審査にかかる日数によって変わります。
初回の審査は2回に分かれます。1回目は書類がそろっているかを見る審査、2回目は実際に現場で運用できているかを見る審査です。
金額が読みにくいのは、日数は国際基準で決まっている一方、1日あたりの料金が公開されていないためです。
この構造は次の章で詳しく解説します。
コンサル費用(使う場合のみ)
必須ではありませんが、多くの中小企業が検討します。
支援の範囲によって金額が大きく変わります。
- 書類作成のみ:文書・規程の雛形提供が中心
- 運用支援まで:内部監査・マネジメントレビューの実施支援まで含む
- 事務局代行型:ISO事務局の業務そのものを代行する
同じ「コンサル費用」でも中身が違うため、金額だけを並べても比較になりません。選び方はISOコンサルの選び方とおすすめ比較で解説しています。
社内工数(見えにくい費用)
見積書には載らないのに、実際にはもっとも大きくなることがある費用です。
具体的には次のような負担が発生します。
- 担当者が規格を理解し、文書を作成する時間
- 現場へのヒアリングと運用ルールのすり合わせ
- 従業員への教育と、社内で点検する担当者(内部監査員)の育成
- 記録の収集と整備
自力取得を選ぶと支払う金額は減りますが、そのぶん社内の手間が増えます。「安い=総額が低い」とは限らないというのが、費用を判断するうえでの基本です。



見積書に載るのは審査費用とコンサル費用の2つだけ。3つ目の社内工数は、自分たちで見積もるしかありません。ここを忘れると「思ったより大変だった」になります。
なぜ、ISOの審査費用は会社規模で変わるのか
審査に必要な日数が、国際基準で人数ごとに定められているからです。
- 審査日数は国際基準(IAF MD 5:2023)で決まっている
- ISO14001は「複雑度」でさらに変わる
- 人数だけでは決まらない
ここが本記事でもっとも公的な根拠を示せる部分です。
審査日数は国際基準で決まっている
世界の認定機関が集まる組織(IAF)が出している「IAF MD 5」という文書に、審査日数の目安が書かれています。
認定機関とは、認証機関がきちんと審査しているかをチェックする、いわば「審査する側を審査する」機関のこと。その国際組織が決めた基準なので、日本の認証機関もこれに沿って日数を見積もります。
ISO9001(品質マネジメントシステム)の初回審査に必要な日数は、次のとおりです。
| 従業員数 | 初回審査の日数 |
| 1〜5名 | 1.5日 |
| 6〜10名 | 2日 |
| 11〜15名 | 2.5日 |
| 16〜25名 | 3日 |
| 26〜45名 | 4日 |
| 46〜65名 | 5日 |
| 66〜85名 | 6日 |
| 86〜125名 | 7日 |
1日の審査は原則8時間で、上の日数は1回目と2回目を合計したものです。
この表は、見積もりが妥当かどうかを見るものさしになります。
たとえば20名の会社に「初回審査5日」と見積もられたら、表より多いので理由を聞けます。拠点が複数あるのか、対象範囲が広いのか。質問できる根拠になるわけです。
ISO14001は「複雑度」でさらに変わる
ISO14001は人数だけでなく、環境側面の複雑度でも日数が変わります。
| 従業員数 | 影響が大きい | やや大きい | 小さい | ごく小さい |
| 1〜5名 | 3日 | 2.5日 | 2.5日 | 2.5日 |
| 6〜10名 | 3.5日 | 3日 | 3日 | 3日 |
| 11〜15名 | 4.5日 | 3.5日 | 3日 | 3日 |
| 16〜25名 | 5.5日 | 4.5日 | 3.5日 | 3日 |
| 26〜45名 | 7日 | 5.5日 | 4日 | 3日 |
| 46〜65名 | 8日 | 6日 | 4.5日 | 3.5日 |
| 66〜85名 | 9日 | 7日 | 5日 | 3.5日 |
| 86〜125名 | 11日 | 8日 | 5.5日 | 4日 |
複雑度は、その組織が持つ環境側面の性質・数・重大性によって決まります。化学物質を扱う製造業と、事務所中心のサービス業では、同じ人数でも日数が変わるということです。
26〜45名の会社で見ると、複雑度が高い業種は7日、限定的な業種は3日と、2倍以上の開きがあります。
人数だけでは決まらない
この表はあくまで出発点で、実際の日数はここから調整されます。
日数を左右する要素は、次のとおりです。
- 拠点の数:工場や営業所が複数あれば、その分の審査が必要になる
- どこまでを対象にするか(認証範囲):全社で取るのか、一部の部署だけで取るのかで大きく変わる
- 仕事の複雑さ:工程の数や、扱う製品の種類
- オンライン審査を使えるか:一部をリモートで実施できる場合がある
冒頭で述べたとおり、1日あたりの料金は認証機関が公開していません。 日数が分かっても、単価が分からなければ総額は出せません。
だから最終的には、複数の認証機関から見積もりを取って確認する必要があります。



日数の表は控えておいてください。見積もりをもらったとき「うちは20名だから3日のはず」と照らせるだけで、話がまったく変わります。
\自社の規格・人数での費用を無料で確認する/
取得後にかかる維持費用
ISOは取得して終わりではなく、毎年と3年ごとに審査費用がかかります。
「取得の稟議は通ったのに、3年目の更新費用を予算に入れ忘れていた」
これは実際に起こりやすい失敗です。
- 毎年のサーベイランス審査費用(初回の約3分の1)
- 3年ごとの更新審査費用(初回の約3分の2)
- ポイントは、3年総額で比較すること
予算を組むときは、取得時の金額だけで判断しないでください。
毎年のサーベイランス審査
認証を取ったあとも、毎年審査を受けます。
この毎年の審査をサーベイランス審査(維持審査)と呼びます。ちゃんと運用が続いているかを見るための審査です。
IAF MD 5:2023では、年間のサーベイランス審査時間は初回審査の約3分の1が目安と定められています。
初回審査が4日だった会社であれば、毎年およそ1.3日分の審査費用がかかる計算です。
サーベイランス審査(維持審査)とは
認証を取得したあと、その仕組みが維持されているかを確認するために毎年行われる審査です。認証機関のJMAQA(日本能率協会 審査登録センター)も、サーベイランス審査は毎年、更新審査は取得から3年目に必要と案内しています。
3年ごとの更新審査
認証の有効期間は3年で、3年目には更新審査を受けます。
IAF MD 5:2023では、更新審査の工数は「更新の時点で初回審査を行うとしたら必要になる工数」の約3分の2が目安とされています。
ここは読み間違えやすい部分です。3年前に実際にかかった日数の3分の2ではありません。
国際基準の原文にも「初回にかかった時間の3分の2ではない」と、わざわざ注記があります。
つまり、3年のあいだに従業員が増えていれば、更新審査の工数もその人数を前提に計算し直されます。 取得時と同じ費用感で見積もっていると、ここでずれます。
サーベイランス審査・更新審査とも、1審査日を下回ることはまずないとされています。
そのため、3年目の更新費用は1・2年目のサーベイランス費用より膨らみます。 ここを見落とすと予算がずれます。
ポイントは、3年総額で比較すること
ISOの費用は「3年総額」で見るのが実務的です。
初回審査が4日の会社(26〜45名・ISO9001)を例にすると、審査日数の合計は、次のようになります。
| 時期 | 審査の種類 | 日数の目安 |
| 取得時 | 初回審査(第一段階+第二段階) | 4日 |
| 1年目 | サーベイランス審査 | 約1.3日(初回の1/3) |
| 2年目 | サーベイランス審査 | 約1.3日(初回の1/3) |
| 3年目 | 更新審査 | 約2.7日(初回の2/3) |
| 3年合計 | — | 約9.3日 |
つまり取得時の日数の2倍以上が、3年で発生するということです。自力取得とコンサル利用を比べるときも、この3年総額で並べてください。



稟議に出す数字は、取得時だけでなく3年分にしておくと安全です。3年目に更新審査が来ることを知らずに予算を組むと、その年だけ足りなくなります。
ISO取得費用は経費にできる?勘定科目と税務
ISOの取得費用は、支出した年度の経費として処理できます。
経理から「これ、何費で処理するの」「資産計上しなくていいの」と聞かれたときに答えられるよう、先に押さえておきたい部分です。
- ISO取得費用の勘定科目
- 国税庁は支出年度の損金算入を認めている
- 判断に注意が必要なケース
それぞれ解説します。
ISO取得費用の勘定科目
実務では「支払手数料」「外注費」「支払報酬」などで処理されることがあります。
ただし、どの勘定科目を使うかは会社の会計方針によって変わります。 認証機関に支払う審査費用とコンサルティング費用を分けて管理する会社もあります。
このメディアでは特定の科目を推奨しません。自社の経理担当者・税理士に確認したうえで決めてください。
国税庁は支出年度の損金算入を認めている
税務上の扱いについては、国税庁が明確な見解を示しています。
審査登録料金・サーベイランス料・更新審査料などについて、次のように示されています。
支出した日の属する事業年度の損金の額に算入して差し支えありません。
出典:国税庁 質疑応答事例「ISO9000シリーズの認証取得費用」
つまり、取得費用を資産計上して数年に分けて償却する必要はなく、支払った年度の経費にできるということです。
理由も同じ資料に書かれています。ISOの認証は特許や商標のような権利ではなく、他社に売ることもできません。 そのため、資産として扱う対象にはあたらないという整理です。
さらに、認証を持ち続けるには毎年の審査費用がかかり、条件を満たさなければ取り消されることもあります。お金を払った効果が何年も続くとは言いにくいため、数年に分けて費用にする処理はふさわしくない、とされています。
判断に注意が必要なケース
上記はISO9000シリーズについての質疑応答であり、すべてのケースに自動的に当てはまるわけではありません。
次のような場合は、個別に税理士へ確認してください。
- コンサルティング費用や研修費用の扱い
- 自治体の補助金を受けた場合の処理
- ISO9001以外の規格を取得する場合
- 複数年契約でまとめて支払った場合



経理に相談するときは、国税庁のページをそのまま見せるのが早いです。「支出した年度の経費でよい」と国が示している、という事実が伝わります。
ISO取得費用を抑える方法
費用を下げる余地は、認証範囲・見積もり・補助金の3つにあります。
- 認証範囲を広げすぎない
- 相見積もりを取る
- 自社対応と外注を切り分ける
- 自治体の補助金を確認する
それぞれ解説します。
認証範囲を広げすぎない
認証範囲は費用に直結します。
全社・全拠点で取得する必要が本当にあるのかを確認してください。
取引先が求めているのが特定の事業所や製品ラインだけであれば、その範囲に絞ることで審査日数が減ります。
相見積もりを取る
1日あたりの料金が公開されていない以上、比較するには見積もりを取るしかありません。
複数の認証機関から見積もりを取り、「審査日数」と「1日あたりの金額」を分けて確認してください。
日数が国際基準から大きく外れていれば、その理由を質問できます。
自社対応と外注を切り分ける
すべてをコンサルに任せる必要はありません。
文書作成は支援を受け、現場のヒアリングと運用は自社で行うといった分担にすると、費用を抑えつつ社内にノウハウが残ります。
自治体の補助金を確認する
自治体によっては、ISO取得費用の一部を補助する制度があります。
東京23区の例は次のとおりです。
| 自治体 | 補助率 | 上限額 | 申請のタイミング |
| 江東区 | 対象経費の1/2以内 | ISO9001・14001・27001は各50万円/Pマーク・エコアクション21は各20万円 | 認証取得日の翌日から6か月以内 |
| 足立区 | 対象経費の1/2 | 50万円(同一年度内) | 認証取得日から1年以内 |
| 荒川区 | 対象経費の1/4 | ISOは50万円/Pマーク・エコアクション21等は各30万円 | ⚠️認証取得の申請を行う前日まで |
荒川区だけは「事前申請」である点に注意してください。
認証を取ってから申請する江東区・足立区と違い、取得の申請前に補助金を申請していないと対象になりません。
対象になる費用の範囲も自治体で違います。足立区は社内の点検担当者を育てる研修費・コンサル費・審査費が対象ですが、更新のときの費用・交通費・振込手数料は対象外です。



補助金は「取ってから申請」と思い込みやすいのですが、荒川区のように先に申請が必要な自治体もあります。動き出す前に自分の区のページを一度見てください。
補助金は制度変更や予算上限による締切があります。 足立区は「毎年4月1日から予算に達するまで」の受付です。検討する場合は、必ず自治体の公式ページで最新の受付状況を確認してください。また、自治体によって対象規格が異なります(港区はISO27001のみ、墨田区はISO14001が対象外など)。
自力取得とコンサル利用、費用はどう違う?
支払う金額だけを比べると判断を誤ります。社内工数を含めた総額で見てください。
| 比較軸 | 自力取得 | コンサル利用 |
| 支払う費用 | 審査費用が中心(30〜90万円) | +コンサル費用(50〜200万円) |
| 社内の工数 | 非常に大きい | 抑えられる |
| 取得時の総額目安 | 30〜90万円+工数 | 80〜280万円 |
| 取得までの期間 | つまずくと長期化しやすい | 型があるぶん読みやすい |
- 自力取得が向いている会社
- コンサル利用が向いている会社
判断の分かれ目は、ISOの担当を専任で置けるかどうかです。どちらが自社に当てはまるか、順に見ていきます。
それぞれ解説します。
自力取得が向いている会社
- ISO経験者が社内にいる
- 専任の担当者を置ける
- 取得までの期限に余裕がある
- 文書作成・内部監査・運用まで自社で回せる
コンサル利用が向いている会社
- 担当者が他業務と兼任している
- 取引先や入札の期限が決まっている
- 初めてISOを取得する
- 社内工数を減らしたい
迷う場合は、相見積もりで比較するのがおすすめです。
比較すべきは取得費用だけではありません。
次の4点を並べて確認してください。
- 取得時の費用
- 3年間の維持費用
- 想定される社内工数
- 支援の範囲(書類作成のみか、運用支援まで含むか)
複数社を比較する方法はISOコンサルの選び方とおすすめ比較で解説しています。



迷ったときの判断はシンプルです。ISOの担当を専任で置けるかどうか。置けないなら、社内工数を外に出したほうが結果的に安く済むことが多いです。
\自力取得とコンサル利用の総額を比較する/
ISO取得費用に関するよくある質問
- ISO取得費用は結局いくらですか?
-
ISO9001の場合、自力取得で30〜90万円、コンサルを利用する場合は小規模(〜30名)で80〜180万円、中堅(30〜100名)で130〜280万円が目安です(編集部調べ)。ただし認証機関が1日あたりの料金を公開していないため、正確な金額は見積もりで確認する必要があります。
- ISOの審査費用はいくらですか?
-
審査費用は「審査日数×1日あたりの料金」で決まります。日数は国際基準(IAF MD 5:2023)で定められており、ISO9001なら16〜25名で3日、26〜45名で4日です。一方で1日あたりの料金は各認証機関が公開していないため、見積もりでの確認が必要です。
- ISO取得後の維持費はいくらですか?
-
毎年のサーベイランス審査が初回審査の約3分の1、3年目の更新審査が約3分の2の工数で行われます(IAF MD 5:2023)。初回審査が4日だった会社なら、3年間で合計約9.3日分の審査費用がかかる計算です。
- ISO14001はISO9001より高いのですか?
-
同じ人数なら審査日数が多く設定されているため、高くなりやすい傾向があります。16〜25名の場合、ISO9001は3日ですが、ISO14001は環境側面の複雑度によって3〜5.5日です(IAF MD 5:2023 Table EMS 1。扱う化学物質や排出の状況によって変わります。
- ISO27001の取得費用は高いですか?
-
3規格のなかでは高くなりやすい規格です。守る対象が情報資産で範囲が広く、リスクアセスメントという独自の工程が必要なためです。なおISO27001は、ISO9001・14001の審査日数を定めたIAF MD 5:2023の対象外で、別の基準で工数が決まります。
- ISO取得費用の勘定科目は何ですか?
-
実務では「支払手数料」「外注費」「支払報酬」などで処理されることがありますが、どの科目を使うかは会社の会計方針によって変わります。自社の経理担当者・税理士に確認してください。
- ISO取得費用は損金算入できますか?
-
国税庁の質疑応答事例では、審査登録料金・サーベイランス料・更新審査料等について「支出した日の属する事業年度の損金の額に算入して差し支えありません」と示されています。ただしISO9000シリーズについての見解であり、コンサル費用や補助金を受けた場合の処理は個別に税理士へ確認してください。
- 自力取得とコンサル利用はどちらが安いですか?
-
支払う金額だけなら自力取得のほうが安く済みます。ただし文書作成・内部監査・運用の構築をすべて社内で行うため、担当者の工数が大きくなります。専任担当者を置けるかどうかが判断の分かれ目です。
- ISO取得に補助金は使えますか?
-
自治体によっては制度があります。東京23区では江東区・足立区が対象経費の2分の1(上限50万円)、荒川区が4分の1(上限50万円)を補助しています。ただし荒川区は認証取得の申請前に補助金を申請する必要があり、対象規格や受付期間も自治体ごとに異なります。必ず公式ページで最新の状況を確認してください。
まとめ:ISO取得費用は規格別・規模別に総額で見る
ISOの取得費用は、規格・会社規模・取得方法・認証範囲の4つで決まります。
本記事で確認した内容を整理します。
- 審査に必要な日数は国際基準で公開されているが、1日あたりの料金は非公開。だから総額は幅でしか示せない
- ISO14001はISO9001より審査日数が多く、環境側面の複雑度によって2倍以上の差が出る
- 取得時だけでなく、毎年のサーベイランスと3年目の更新審査を含めた3年総額で見る
- 取得費用は支出した年度の損金に算入できる(国税庁の質疑応答事例)
費用を判断するときは、支払う金額だけでなく社内工数を含めた総額で比べてください。自力取得は支払いが少ない一方で、担当者の負担が大きくなります。
そして、正確な金額は見積もりでしか分かりません。 認証機関が単価を公開していない以上、複数社から見積もりを取り、「審査日数」と「1日あたりの金額」を分けて確認するのが確実です。
ISOが自社に本当に必要かどうかを含めて検討したい場合は、ISOをやめた企業26社の実例もあわせてご覧ください。
\自社の規格・人数で、取得費用を確認する/
- 審査に必要な日数:IAF MD 5:2023(国際基準・公開されている)
- 税務上の取り扱い:国税庁 質疑応答事例(公開されている)
- 補助金の上限額:各自治体の公式ページ(公開されている)
- 認証機関の1日あたりの料金:非公開(個別見積もり)
- ISO取得の総額:公的な統計が存在しないため編集部調べの目安


コメント