ISO取得費用の相場を中小企業向けに解説します。規格別・規模別の総額、審査費・コンサル費・維持費、経費処理、費用を抑える方法、自力取得とコンサル利用の違いまで、公的情報と公開料金をもとに中立に整理します。
「ISOって、結局いくらかかるの?」
「取得費だけじゃなく、毎年の維持費も気になる」
ISOの取得を検討すると、まず引っかかるのが費用です。
先に結論をお伝えします。
ISO取得費用は、「どの規格か」×「会社の規模」で大きく変わり、取得時の費用に加えて毎年の維持費もかかります。
だからこそ、「取得費だけ」でなく「総額」で見るのが、損をしないコツです。
- ISO取得費用の相場(規格別・規模別の早見表)と内訳
- 取得後にかかる「維持費用」(サーベイランス・更新審査)
- ISO取得費用は経費にできる?(国税庁の見解)
- 費用を抑える5つの方法と、自力・コンサルの違い
「そもそもISOは必要?」は ISOは意味ない?必要性とやめた企業の理由、「コンサルを使うべき?」は ISOコンサルの選び方とおすすめ比較 もどうぞ。

ISOの教科書 編集部
- ISOの教科書 編集部の案内役
- 東証プライム上場企業に勤務後、独立
- 中小企業の担当者向けに、取得・費用・運用をやさしく解説
※本記事には広告リンクを含みます。ただし、相場や判断基準は国税庁・国土交通省・JISなどの公的情報を確認したうえで、中立の立場で作成しています。
最初に、いちばん知りたい総額の目安をお伝えします。中小企業のISO9001取得で多いのは、コンサルを使って総額80〜180万円(小規模)/130〜280万円(中堅)のゾーンです。自力なら審査費が中心で30〜90万円に抑えられますが、その分の社内工数がかかります。
| 取り方(ISO9001・中小企業) | 取得時の総額目安 |
|---|---|
| 自力取得(審査費が中心) | 30〜90万円 |
| コンサル利用・小規模(〜30名) | 80〜180万円 |
| コンサル利用・中堅(30〜100名) | 130〜280万円 |
- ISO9001を中小企業が新規取得する場合の概算です。
- 認証機関の審査費、ISOコンサル各社の公開料金、月額制サービスの料金をもとに編集部で整理しています。
- 実際の費用は、対象拠点・従業員数・支援範囲・訪問条件・交通費で変わります。
- 正確な金額は、各社の公式情報と見積もりで確認してください。
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【結論】ISO取得費用は「規格×規模」で決まる
ISO取得費用は、定価があるわけではありません。
決め手は「どの規格を」「どのくらいの規模で」取るかの2点です。
そして費用は、取得して終わりではありません。毎年の維持費まで含めた“総額”で見ることが大切です。
いそまる「取得費は安いのに、維持費で結局高くついた」を避けるため、最初に総額の構造を押さえましょう。
ISO取得費用の内訳【3つの費用】
ISO取得費用は、大きく3つに分かれます。
「コンサル費用」だけを見て判断しがちですが、審査費用と社内の工数も基本的に発生します。
まずは、支払先ごとに費用の中身を分けて整理します。
① 審査費用(認証機関に支払う)
認証は、コンサルではなく独立した審査機関(認証機関)が審査して出します。その審査機関に支払うのが審査費用です。
初回の認証審査でかかる審査費用は、30〜100万円程度(従業員30〜50名なら30〜70万円)が目安です。登録料や審査員の交通費も含まれ、コンサルを使う・使わないに関わらず発生します。
② コンサル費用(使う場合)
文書づくりや審査対応を支援してもらう場合のコンサル費用です。
ISO9001で小規模30〜100万円/中堅80〜200万円が目安。月額制の事務局型なら月4万円台〜の例もあります。自力取得ならこの費用は抑えられますが、その分の工数は自社で負います。コンサルの選び方は ISOコンサルの選び方とおすすめ比較 で解説しています。
③ 社内の工数・教育コスト(見えにくい費用)
もっとも見落とされるのが、社内の人が動く時間(工数)です。
文書づくり・内部監査・審査対応には、担当者と現場の時間がかかります。自力取得だと数百時間(人件費換算で数十万円相当)かかることもあり、「自力=安い」とは限らないのはこのためです。
| 費用の種類 | 金額の目安(ISO9001) | 補足 |
|---|---|---|
| ① 審査費用(必須) | 初回30〜100万円 | 認証機関に支払う。30〜50名で30〜70万円 |
| ② コンサル費用(任意) | 会社50〜200万円/個人30〜80万円 | 使う場合のみ。月額制なら月4万円台〜 |
| ③ 社内工数(隠れコスト) | 数十万円相当〜 | 自力ほど大きい(数百時間の例も) |



「審査費+コンサル費+社内工数」の3点セットで見ると、本当のコストが見えてきます。
規格別のISO取得費用相場
取りたい規格によって、費用は変わります。
まず3規格をひと目で比べると、次のとおりです。
| 規格 | 費用感(ISO9001を基準に) | 特徴 |
|---|---|---|
| ISO9001(品質) | 基準 | 事例が多く相場が読みやすい |
| ISO14001(環境) | ほぼ同水準 | 9001と同時取得で2規格目は割安 |
| ISO27001(ISMS) | 高め | 情報資産の範囲が広いほど上がる |
ISO9001(品質)の費用
もっとも一般的な規格で、事例も多く相場が読みやすいのが特徴です。中小企業の取得時の目安は、前述のとおり自力なら30〜90万円/コンサル利用なら80〜280万円(規模による)です。
ISO14001(環境)の費用
ISO9001とおおむね同程度の費用感です。9001と同時に取得すると、審査や文書づくりをまとめられて割安になりやすいのがポイントです。
ISO27001(ISMS)の費用は高め
情報セキュリティの規格で、情報資産の洗い出しやリスク評価が必要なため、9001より高くなりやすい規格です。対象範囲(拠点・システム)が広いほど上がります。規格別の詳細は、今後の専用記事でも解説予定です。
規模別のISO取得費用相場(従業員数別)
同じ規格でも、会社の規模で費用は変わります。
ISO9001を例に、規模別の目安を費用の種類ごとに整理します。
| 規模 | コンサル費(取得) | 審査費(初回) | 維持費(年) |
|---|---|---|---|
| 小規模(〜30名) | 30〜100万円 | 30〜50万円 | 15〜40万円 |
| 中堅(30〜100名) | 80〜200万円 | 50〜100万円 | 30〜70万円 |
小規模(〜30名)の相場
コンサル支援費は30〜100万円が目安。審査費と合わせた取得時の総額は、コンサル利用で80〜180万円程度に収まりやすい規模です。
中堅(30〜100名)の相場
コンサル支援費は80〜200万円が目安。拠点や部門が増えると、文書量・審査工数も増えて費用は上がります。総額で130〜280万円程度を見ておくと安心です。
なぜ規模で費用が変わるのか
理由はシンプルで、対象が増えるほど、作る文書・確認する工程・審査の日数が増えるからです。拠点数・部門数・従業員数が、費用に直結します。
取得後にかかる「維持費用」
ISOは取得して終わりではなく、毎年・3年ごとに費用がかかります。
維持費の中身と目安は、次のとおりです。
| 項目 | 頻度 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| サーベイランス審査 | 毎年(1・2年目) | 15〜60万円(新規審査の約1/3) |
| 更新審査 | 3年目 | 新規審査の約2/3(100名で45〜75万円) |
| 維持の社内工数 | 毎年 | 20〜50万円相当(内部監査・記録管理) |
毎年のサーベイランス審査費用
認証を維持できているかを確認するため、通常は毎年サーベイランス審査を受けます。費用は新規審査の約3分の1が目安で、年15〜60万円程度です。
用語:「サーベイランス審査」とは?
取得後、認証を維持できているかを確認するために通常は毎年行われる審査のこと(維持審査とも呼ばれます)。3年ごとに「更新審査」があります。
3年ごとの更新審査費用
認証の有効期間は3年で、3年目に更新審査を受けて更新します。サーベイランスより範囲が広く、新規審査の約3分の2が相場(100名規模で45〜75万円)です。
「取得費用」より“総額”で考える
取得時だけ安くても、毎年の維持費がかさめば結局は割高になります。維持費は3年サイクル全体で95〜230万円に収まるケースが多く、取得+数年分の維持費を合わせた「総額」で比較するのが失敗しない費用の見方です。
イメージしやすいよう、具体的な3年総額の例を見てみましょう。
| 時期 | 費用の目安 | 内訳 |
|---|---|---|
| 取得時 | 約120万円 | 審査40万+コンサル80万 |
| 1〜2年目 | 各約20万円 | サーベイランス審査 |
| 3年目 | 約30万円 | 更新審査 |
| 3年総額 | 約190万円 | +社内の維持工数 |
つまり「最初に100万円台、その後は年20〜30万円」が、20名規模のリアルな目安です(あくまで一例で、規模・規格・支援範囲によって変わります)。
ISO取得費用は経費にできる?勘定科目・税務
「ISO取得費用は資産計上?それとも一括経費?」は、よくある疑問です。
ここで紹介する国税庁の見解は、ISO9000を取得するため審査登録機関に支払う費用に関するものです。コンサル費用・研修費・社内人件費などは契約内容や会計方針で扱いが変わるため、個別の処理は顧問税理士に確認してください。
まず、審査費とその他の費用を分けて考えます。
ISO取得費用の勘定科目は?
審査登録機関に支払う費用は「支払手数料」などで処理されることがあります。コンサル費用は「外注費」「支払手数料」、研修費は「研修費」など、契約内容によって勘定科目が分かれます。
損金算入できる?(国税庁の見解)
国税庁の質疑応答事例では、ISO9000を取得するため審査登録機関に支払う費用について、繰延資産ではなく、その年の損金として処理できるとされています(出典:国税庁 質疑応答事例)。
理由は、ISOが法的義務ではなく、毎年のサーベイランス審査や3年ごとの更新審査を通じて維持していく性質のものだからです。ただし、この国税庁事例は審査登録機関への支払いに関する説明であり、コンサル費用や研修費まで同じ扱いと断定するものではありません。



税務上の判断は、支払先・契約内容・社内の会計方針で変わります。記事では一般的な考え方を整理しますが、最終判断は顧問税理士に確認しましょう。
ISO取得費用を抑える5つの方法
同じ取得でも、進め方しだいで費用は変わります。やりやすい順に5つ紹介します。
- ① 相見積もりを取る:審査機関・コンサルは複数社で比較する(数十万円の差が出ることも)
- ② 内製する範囲を決める:文書づくりだけ支援を受け、運用は自社で回す“いいとこ取り”
- ③ 複数規格は同時取得:9001+14001などをまとめると審査・文書を共通化できる
- ④ 補助金・助成金を確認:自治体や制度で使える場合がある(※内容は年度で変わるため公式で要確認)
- ⑤ 伴走型コンサルを選ぶ:取得後に自走できれば、更新時の再依頼コストを減らせる
とくに①相見積もりと⑤伴走型は、目先だけでなく数年単位の総額を下げる効果があります。④の補助金は制度が頻繁に変わるため、自治体や支援機関の公式情報で最新条件を確認してください。
\まずは相見積もりの1社として費用を聞いてみる/
自力取得とコンサル利用、費用はどう違う?
費用を考えるうえで避けて通れないのが、自力で取るか、コンサルを使うかです。
| 比較軸 | 自力取得 | コンサル利用 |
|---|---|---|
| 支払う費用 | 審査費が中心(30〜90万円) | +コンサル費(50〜200万円) |
| 社内の工数 | 非常に大きい(数百時間=隠れコスト) | 抑えられる |
| 取得時の総額目安 | 30〜90万円+工数 | 80〜280万円 |
| 取得の確実性・期間 | つまずくと長期化しやすい | 型があるぶん確実・早い |
| 向いている会社 | 専任者がいて時間を割ける | 兼任・少人数・確実に取りたい |
「自力=安い」と決めつけず、社内工数まで含めた総額で比べるのがコツです。どちらが向くか・コンサルの選び方は ISOコンサルの選び方とおすすめ比較 でくわしく解説しています。
まとめ:自社の費用感をつかむチェックリスト
ISO取得費用は、「規格×規模」+「維持費を含めた総額」で考えるのが基本です。
- 取りたい規格と、対象範囲(拠点・部門)を決めた
- 審査費・コンサル費・社内工数の3点で考えている
- 取得時だけでなく、維持費まで含めた総額で比べる
- 2社以上に相見積もりを取る予定がある
まずは相見積もりの1社として、自社の規格・規模での費用を聞いてみるのが早道です。
\自社の費用感を無料で確認する/
ISO取得費用に関するよくある質問
- ISOの取得費用は結局いくらですか?
-
ISO9001を中小企業がコンサル利用で取得する場合、取得時で80〜180万円(小規模)/130〜280万円(中堅)が目安です。自力なら審査費中心で30〜90万円に抑えられます。別途、毎年の維持費(15〜90万円)がかかります。正確な金額は見積もりで確認してください。
- 取得後の維持費はどれくらいかかりますか?
-
サーベイランス審査が毎年15〜60万円(新規審査の約3分の1)、更新審査が3年目に新規の約3分の2かかります。社内工数も含めると、3年サイクル全体で95〜230万円に収まるケースが多いです。
- ISO取得費用は経費にできますか?
-
国税庁の質疑応答事例では、ISO9000を取得するため審査登録機関に支払う費用は、繰延資産ではなく、その年の損金として処理できるとされています。コンサル費用・研修費などの扱いは契約内容で変わるため、個別の会計処理は顧問税理士にご確認ください。
- ISO27001はなぜ費用が高いのですか?
-
情報資産の洗い出しやリスク評価が必要で、対象範囲(拠点・システム)が広いほど工数が増えるためです。9001より高くなりやすい規格です。
- 費用を安くする方法はありますか?
-
相見積もりを取る、内製する範囲を決める、複数規格を同時取得する、補助金を確認する、伴走型コンサルを選ぶ、の5つが有効です。とくに相見積もりと伴走型は、数年単位の総額を下げます。
- 補助金は使えますか?
-
自治体や制度によっては対象になる場合があります。ただし内容・要件は年度で変わるため、自治体・商工会議所・中小企業支援機関などの公式サイトで最新情報を確認してください。
- 自力取得とコンサル利用、どちらが安いですか?
-
支払う費用は自力が安いですが、社内の工数(隠れコスト)が大きくなります。社内工数まで含めた総額で比べるのがコツです。判断は ISOコンサルの選び方とおすすめ比較 でも解説しています。
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